刑事上の過失(注意義務違反)と因果関係
本件証拠上認められるハブの輪切り破損事故の発生状況や、本件事故車両の整備状況等に照らせば、三菱自工製のハブには設計又は製作の過程で強度不足の欠陥があったと認定することができ、本件事故もハブの強度不足に起因して生じたものと認められる。
⇒
本件事故は被告人らの義務違反に基づく危険が現実化したものといえる。
~
結局、両者の間に因果関係を認め、被告人らに業務上過失致死傷罪の成立を認めた原判決の結論を維持して被告人らの上告を棄却。
最高裁H24.2.8
~最高裁は、結果の帰属を検討するに当たっては、条件関係のみならず、当該義務違反の危険性が現実化した場合と評価できるかどうかという枠組みで判断。
日航機ニアミス事件(最高裁H22.10.26):
「本件ニアミスは、言い間違いによる降下指示の危険性が現実化したものであり、同指示と本件ニアミスとの間には因果関係があるというべきである」
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