2018年1月22日 (月)

自殺防止のために口腔内にタオル挿入⇒窒息死⇒国賠請求(肯定)

静岡地裁H29.2.2      
 
<事案>
亡Aの両親であるXらが、
警察官が亡Aの自殺防止のために口腔内に挿入したタオルにより気道が閉塞され、亡Aが死亡したとして、
警察官については、気道の確保に配慮した必要最小限度の措置を執るべき義務、亡Aを観察する義務、亡Aを救護する義務、救急隊員と相互に連携すべき義務に、
救急隊員については、亡Aを観察する義務、亡Aを救護する義務、警察官と相互に連携すべき義務に
それぞれ違反した

警察官が所属する愛知県警察を管理運営するY1(愛知県)及び
救急隊員が所属する瀬戸市消防本部を管理運営するY2(瀬戸市)に対し、
国賠法1条1項及び民法719条1項に基づき、
損害賠償の連帯支払を求めた事案。 
 
<争点>
①警察官及び救急隊員の注意義務違反緒有無
②注意義務違反行為と亡Aの死亡との因果関係の有無
③過失相殺の可否及び過失割合 
 
<判断>
●争点①について 

Xらは、タオルの挿入態様について、Xらは、事件後に瀬戸市消防本部が主催し、警察官も参加して行われた再現において、救急隊員が再現した亡Aの口腔内から取り出されたタオルの形状(捻じれて下に向かった錐体状になっており、上部は押しつぶされた釘の頭のように錐体の底面より少し広がった形状をしていた。)を根拠に、警察官が口腔内にタオルを深く捻じり入れたと主張。

Y1は、タオルをかませた際、タオルのほとんどの部分が亡Aの口から出ている状態であり、口腔内に深く挿入した事実はないと主張し、また、前記再現においては、タオルの形状について警察官の記憶と異なる際限がされた部分があり、異議を申し入れたが聞き入れられなかったと主張。

◎警察官の注意義務違反について
①警察官及び救急隊員が認識している事実関係を明確にするという前記再現の目的
②前記再現に同席した医師の証言等

前記再現において警察官の記憶と異なる再現がされた部分があったとのY1の主張を排斥。

タオルのほとんどの部分が亡Aの口腔内から出ていたとのY1の主張は、前記再現と矛盾しており、本件当時の状況に照らしても不自然である。
救急隊員の証言等

警察官がタオルを深く挿入し、それを押さえ続けたことが推認される

警察官に咬舌防止のための必要最小限度の措置を執る義務の違反があった

◎救急隊員の注意義務違反について 
救急隊員の証言等

救急隊員が亡Aの口腔内の奥深くまでタオルが挿入されていたことを認識し得た

亡Aの意識、呼吸、循環に障害が見られないかどうかを観察するに際し、タオルが気道を閉塞するおそれがあることを踏まえてより慎重に観察すべきである

目がうつろな様子で半開きの状態であった等の亡Aの様子を現認した救急隊員について、口からタオルを取り出すなどして救護すべき義務の違反等があった

●争点②について 
◎Y:亡Aには自傷行為により大量出血が見られ、亡Aの心停止は急性の精神的ストレスによる心疾患によるものである可能性が高い⇒タオルの挿入行為と亡Aの死亡との因果関係を争った。

①事件当日に作成された現場の写真撮影報告書に血痕等を確認できる写真はない
②救急隊員は大量出血を確認していない

亡Aの出血量はそれほど多いものではなく、出血が原因となって心停止に至ったとの高度の蓋然性を肯定することはできない

①急性の精神的ストレスが心疾患を引き起こして心停止に至る可能性が皆無でないことは否定できないとしつつも、心停止に至る事例は極めて少ない
②亡Aの司法解剖の結果では、心臓を含めた臓器等に脳循環不全の原因となるべき傷病を指摘できないとの意見が述べられている

精神的ストレスが原因となって心停止に至ったとの高度の蓋然性を肯定することはできない


①タオルの挿入態様
②亡Aの口から取り出されたタオルの形状
③事件後に行われた検証会の検討結果等

亡Aは、タオルを口腔内の奥深くまで挿入されたことにより、唾液を吸収していったタオルによって、あるいは、唾液を吸収していったタオルによって押し込まれた自分の舌によって、徐々に軌道が閉塞し、それによって窒息し、最終的に心停止に至ったものと推認される。

各注意義務違反行為と亡Aの死亡との因果関係を認めた。

出血及び精神的ストレスが心停止に影響した可能性が皆無であるとまでいうことはできず、この点は、争点③で考慮するのが相当。

●争点③について 
①出血及び精神的ストレスが心停止に影響した可能性が皆無であるとまでいうことはできず、これらはすべて亡A自身が招いた落ち度に起因する
②タオルをかませられる事態となったのも、亡Aが舌をかんで自殺を図ろうとしたため

他方で
③タオルの大部分を口腔内に深く挿入することにより、気道が閉塞し、窒息させるおそれがあることは明らかであった
④亡Aの抵抗は、バックボードに固定される頃には収まっていた

民法722条2項所定の過失相殺の法理を類推適用し、損害の5割を減額

判例時報2351

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2018年1月21日 (日)

交通事故で保険会社により支払われる遅延損害金の起算日が争われた事例

東京地裁H28.9.12      
 
<事案>
Xは、平成22年11月9日、歩行中に訴外Zが運転する自動車に衝突されて傷害を負い、同傷害による後遺障害が残存。

Zについて、平成25年12月16に破産手続が開始、その後、
Xが、Z被保険者、Z車を被保険自動車とする家庭用自動車総合保険(本件契約)の保険者である保険会社Yに対し、本件契約の約款(本件約款)に基づき、いわゆる直接請求権を行使し、本件事故による損害賠償額と事故日から支払済みまでの遅延損害金の支払を求める訴訟を提起。 

事故日から支払済みまでの遅延損害金を請求する法的根拠についてのXの主張:
①直接請求時にYがXに支払うべき損害賠償額に該当
②YのXに対する損害賠償額支払債務は事故時に遅滞に陥る
 
<判断>
遅延損害金の請求に関し、

Xの主張①について:
被保険者である加害者が損害賠償請求権者に対し支払義務を負う遅延損害金は、直接請求において保険会社が直接請求権者に支払うべき「損害賠償額」には含まれない 

Xの主張②について:
直接請求において、YのXに対する損害賠償額支払債務が遅滞に陥るのは、
約款により、請求完了日からその日を含めて30日を経過したとき


本件においける損害賠償請求に関する具体的な経緯を踏まえ、
Zの破産手続が開始し、XがYに対する直接請求権を行使できることとなったときに、直接請求が完了。
 
<解説>   
●本件約款は、保険会社が直接請求者に支払う損害賠償額を、
被保険者が損害賠償請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額(「α」)から自賠責保険等でてん補される金額を控除した金額とする旨を定める

X主張の遅延損害金は、不法行為による損害賠償義務の履行遅滞についての損害賠償であり、対人事故によって加害者が負担することになった損害賠償責任の額そのものとはいえない
加害者が被害者に支払義務を負う遅延損害金に関し、本件約款には、被保険者(加害者)が保険会社に対人賠償責任保険金を請求するときは、保険会社は、訴訟の判決による遅延損害金に限り支払う旨の規定がある

その遅延損害金はαと区別されており、αに含まれない。

一定の条件の下で保険会社が遅延損害金を支払う理由

保険会社が解決にあたる場合はもちろんのこと、被保険者自身が主体となって解決にあたる場合であっても、保険会社の争い方や解決の時期についての判断(裁判所の和解勧告を受け入れるか否かなど)が遅延損害金の額に影響する場合が強く、また、すべての危険から被保険者を守る
 
●約款が定めるYに対する直接請求の手続はとられていなかったことが窺われ、
本判決は、
訴え提起前のXとZとの間の示談や調停の経緯(Z側の行為者はYの示談代行担当者やZの代理人弁護士)を認定し、Xは継続して損害賠償の支払を求めていたと指摘、
Zの破産手続が開始してXが直接請求権を行使できることとなったときに、XのYに対する直接請求は完了
 
●被害者である原告が、加害者と保険会社を共同被告とし、加害者に対して損害賠償を請求するとともに、保険会社に対し、被保険者(加害者)に対する判決の確定を条件として損害賠償額の支払を請求する場合には、保険会社に対しても、交通事故の日を起算日とする遅延損害金の支払を命じるのが東京地裁の運用。 

判例時報2351

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2018年1月20日 (土)

長男の意向を考慮し、終末期の延命措置をしないこととした医師の裁量判断等(過誤はなし)

東京地裁H28.11.17      
 
<事案>
Y1の開設する病院で入院中に死亡した亡Aの相続人であるXが、
亡Aは、同じく相続人であるY2が経鼻経管栄養の注入速度を速めたことにより嘔吐して誤嚥性肺炎を発症し、
Y2がその妻Y3と共に延命措置をせずに延命措置を実施しなかったため、続発した敗血症及び急性腎不全により死亡

Y1に対し債務不履行に基づき
Y2及びY3に対し共同不法行為に基づき
損害の賠償を求めた事案。 
 
<判断>
●Y2が経鼻経管栄養の注入速度を速めたことが違法か?
経鼻経管栄養は医療行為であり、嘔気、嘔吐、腹部膨満や腹痛などの副作用や誤嚥性肺炎の危険もある
医師の指示に基づかずに行った行為は違法
 
●Y1に対し、亡Aの家族に対し経鼻経管栄養の注入速度を変更しないように説明し、家族が注入速度を変更していないか確認すべき義務があるのに、これを怠ったとのXの主張について
患者の家族であっても、特段の必要性や緊急性もないのに、病院の医療機器を医師等に無断で操作してはならないことは、通常の識見を持った一般人にとって常識的なことであり、Y2ら家族が亡Aの経鼻経管栄養の注入速度を速めることを予見することは不可能

そもそもXの主張するような義務をY1が負っていたと認めることはできないとして、Xの主張を排斥。
 
●Y2が亡Aの延命措置を拒否したこと、Y1のB医師が延命措置を実施しなかったことが違法か? 

Y2が延命措置を拒否した点について、
延命措置についてどのような意見を述べるかは基本的に個人の自由

Y2が亡Aの延命措置を拒否したことをもって、それ自体が直ちに違法であるとは認められない

B医師について:
亡Aの意思について確認できない状態であった⇒延命措置について亡Aに説明しなかったことをもって注意義務違反があるとはいえない

B医師は、Y2を亡Aの家族のキーパーソンであると認識し、Y2の意見を参考にして延命措置をとらなかったのであるが、このような方法は不合理とはいえず、医師の裁量の範囲内
⇒Y1に責任はない

 
●Y2が経鼻経管栄養の注入速度を速めたことと亡Aの死亡の結果との間の因果関係 
①経鼻経管栄養の注入速度を変更しても最終的に注入される栄養剤の分量は変わらない
⇒注入速度の変更が原因となって嘔吐する場合には、経鼻経管栄養の最中又はその直後に嘔吐するのが自然であるといえるところ、亡Aが嘔吐したのは経鼻経管栄養が終了してから2時間以上経過してから
②8月15日の嘔吐は、ベッドに戻り臥位になった際の本位変換が影響している可能性が高い
③亡Aは糖尿病に罹患しており、気道及び尿路に感染症があった⇒8月15日の嘔吐とは無関係に誤嚥性肺炎を発症した可能性も否定できない

因果関係を否定
 
●相当程度の可能性及び期待権の侵害の有無 
いずれの法理も医師の職責の重大性を前提とするもの
⇒医師でなくその他の医療従事者でもない者については、これらの法理を適用する前提を欠く。


請求棄却。
 
<解説>
厚労省が平成19年5月に策定した「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」に沿った判断をしている。
同ガイドラインによれば、
①患者の意思が確認できる場合には、専門的な医学的検討を踏まえた上でインフォームド・コンセントに基づく患者の意思決定を基本とし、
患者の意思が確認できない場合には、
ア:家族が患者の意思を推定できる⇒その意思を尊重
イ:家族が患者の意思を推定できない⇒患者にとって何が最善であるかについて家族と十分に話し合い、患者にとっての最善の治療方針を採る

大学病院において、脳内に再発した悪壊死脳腫瘍の治療として大量抗がん剤治療を受けた患者が、転医先の病院で死亡した事案において、医師が患者に対してこれ以上実施可能な治療はなく、症状が悪化しても延命措置しかできないことを説明し、家族は延命措置を採らないことを承諾したことを認定し、違法性はないと判示した大阪地裁H26.3.18

判例時報2351

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2018年1月19日 (金)

執行処分の取消し等の場合の執行費用の負担

最高裁H29.7.20      
 
<事案>
債権者Xの申立てにより開始された債務者Yの有する不動産の共有持分に対する強制競売手続が、Yの請求異議の訴えに係る請求を認容する確定判決で取消し⇒Xが、民執法20条の準用する民訴法73条1項の規定に基づき、それまでに支出された本件強制競売の執行費用をYの負担とすることを申し立て。 
 
<規定>
民執法 第20条(民事訴訟法の準用)
特別の定めがある場合を除き、民事執行の手続に関しては、民事訴訟法の規定を準用する。

民訴法 第73条(訴訟が裁判及び和解によらないで完結した場合等の取扱い)
訴訟が裁判及び和解によらないで完結したときは、申立てにより、第一審裁判所は決定で訴訟費用の負担を命じ、その裁判所の裁判所書記官はその決定が執行力を生じた後にその負担の額を定めなければならない。補助参加の申出の取下げ又は補助参加についての異議の取下げがあった場合も、同様とする。
2 第六十一条から第六十六条まで及び第七十一条第七項の規定は前項の申立てについての決定について、同条第二項及び第三項の規定は前項の申立てに関する裁判所書記官の処分について、同条第四項から第七項までの規定はその処分に対する異議の申立てについて準用する。

民訴法 第62条(不必要な行為があった場合等の負担)
裁判所は、事情により、勝訴の当事者に、その権利の伸張若しくは防御に必要でない行為によって生じた訴訟費用又は行為の時における訴訟の程度において相手方の権利の伸張若しくは防御に必要であった行為によって生じた訴訟費用の全部又は一部を負担させることができる。
 
<原審>
執行費用は、強制執行がその基本となる債務名義を遡及的に取り消す旨の裁判の確定により終了した場合を除き、債務者の負担とすべきものと解するのが相当
本件は、前記の場合に当たらない
本件強制競売の執行費用を債務者であるYの負担とすべき
 
<判断>
既にした執行処分の取消し等により強制執行が目的を達せずに終了した場合における執行費用の負担は、執行裁判所が、民事執行法20条において準用する民訴法73条の規定により定めるべき。 

①本件強制競売手続きが、Yの提起した請求異議の訴えに係る請求を認容する確定判決の正本が執行裁判所に提出されたことにより取り消されたもの
②前記請求が認容された理由は、本件強制競売の開始決定後にYが弁済供託をしたことにより本件請求債権が消滅したというもの
という事情を考慮して、
Xから民執法20条において準用する民訴法73条1項の裁判の申立てを受けた執行裁判所は、同条2項において準用する同法62条の規定に基づき、
本件強制競売の執行費用をYの負担とする旨の裁判
をすることができる。

本件強制競売の執行費用をYの負担とすべきものとした原審の判断を是認
 
<解説>
強制執行がその目的を達せずに終了した場合の執行費用の負担:
A:常に債権者の負担とするという見解

①強制執行が手続の途中において、申立ての取下げや手続の取消しにより、その目的を達せずに終了した場合には、それまでの手続及びその準備に要した費用については、結局必要であったものではないことに帰する
②民執法54条2項が、強制競売の手続の取消しに基づく差押登記の抹消嘱託に要する登録免許税その他の費用を差押債権者の負担とする旨を定めており、その理は、登録免許税等に限らず、それまでに要した費用についても当てはまる
vs.
執行費用も広い意味での訴訟費用に含まれると解されるところ、民事訴訟の場合には、一般に、訴訟の取り下げ等をするに至った事情等によっては、民訴法73条2項において準用する同法72条により、相手方に訴訟費用の全部又は一部を負担させることができると解されていることと比べて、そのような例外を一切認めないA説はバランスを欠く
抹消の嘱託に関する費用は執行費用そのものではないので、あえて、強制執行が手続の途中において、申立ての取下げや手続の取消しにより終了したときの執行費用の負担者を民執法54条2項と同じにすべき必然性はない
民訴法85条が、強制執行が途中で終了した場合に、同法73条による執行費用の負担の裁判を求めることができることを前提としていると解される

B:強制執行が終了するに至った事情を踏まえて負担について定める
B2:民執法20条において準用する民訴法73条1項の裁判手続の中で、同条2項において準用する民訴法の訴訟費用の負担に関する規定に基づいて定める

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2018年1月18日 (木)

個人情報漏えいの損害賠償請求

最高裁H29.10.23       

<事案>
Xが、通信教育等を目的とする会社であるYにおいてその管理していたXの個人情報を過失によって外部に漏えいしたことにより精神的苦痛を被った
⇒不法行為に基づき慰謝料10万円及び遅延損害金の支払を求める事案。

<事実> 
Yが管理していたAの氏名、性別、生年月日、郵便番号、住所、電話番号、保護者名(「本件個人情報」)が遅くとも平成26年6月下旬頃までにYの外部に漏えい。
本件漏えいは、Yのシステムの開発、運用を行っていた会社の業務委託先の従業員であったBが、YのデータベースからYの顧客等に係る情報を不正に持ち出したことにより生じたもの。
Bは、持ち出した前記の個人情報の全部又は一部を複数の名簿業者に売却。 
 
<一審>
Yの過失によるものであることを基礎付けるに足りる具体的事情の主張立証がない⇒Xの請求を棄却。 
 
<原審>
・・・・そのような不快感等を抱いただけでは、これを被侵害利益として、直ちに損害賠償を求めることはできない。
そして、本件漏えいによって、Xが迷惑行為を受けているとか、財産的な損害を被ったなど、前記の不快感等を超える損害を被ったことについての主張、立証はない。
⇒Xの請求を棄却。 
 
<判断>
本件の事実関係の下では、本件漏えいによってXはそのプライバシーを侵害されたといえる。
原審は、前記のプライバシー侵害によるXの精神的損害の有無及びその程度等について十分に審理することなく、不快感等を超える損害の発生についての主張、立証がされていないということのみから直ちにXの請求を棄却すべきものとしたものであり、そのような原審の判断には、不法行為における損害に関する法令の解釈適用を誤った結果、前記の点について審理を尽くさなかった違法がある。

原判決を破棄し、Yの過失の有無や前記の損害論について更に審理をさせるために本件を原審に差し戻した。 
 
<解説>
一般に、プライバシーに該当する情報の開示が違法となるか否か:
①それについての定型的な推定的同意が認められるか否か
②受忍限度の範囲内といえるか否か、
③公益が優先される場合か否か
などといった観点を踏まえ、
当該情報の内容や開示の態様を総合考慮して判断。 

本件のような個人情報の流出による精神的損害の有無及びその程度等については、社会通念等をも勘案しつつ、ある程度、類型的に把握されるべきもの。
流出した個人情報の内容、流出した範囲、実害の有無、個人情報を管理していた者による対応措置の内容等、それぞれの事案に表れた事情を総合的に考慮して判断されるべき。

判例時報2351

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2018年1月17日 (水)

認定司法書士が弁護士法72条に違反して締結した和解契約の効力

最高裁H29.7.24      
 
<原判決>
補助参加人(認定司法書士)が代理人として本件和解契約を締結した行為は、公益規定である弁護士法72条に違反
⇒この点に関する補助参加人とAとの間の本件委任契約は無効
⇒本件和解契約も、そのような委任契約に基づいて締結されたという点において、無効。
⇒被上告人(Aの破産管財人)の請求を認容。 
 
<判断>
認定司法書士が委任者を代理して裁判外の和解契約を締結することが弁護士法72条に違反する場合であっても、
当該和解契約は、その内容及び締結に至る経緯等に照らし、公序良俗違反の性質を帯びるに至るような特段の事情がない限り、無効とはならない。
本件事情によれば、公序良俗違反の性質を帯びるに至るような特段の事情はうかがわれず、本件和解契約を無効ということはできない。

被上告人の請求を棄却した第1審判決の結論は正当であるとして、控訴を棄却。
 
<解説> 
●最高裁判例 

最高裁昭和38.6.13:
非弁護士が、依頼者との間で締結した、債権の取立てに成功した場合には取立金額から訴訟費用を控除した残額の半分を報酬として受け取るという契約に基づき、報酬を請求した事案について、
弁護士法72条に抵触する委任契約は民法90条に照らして無効⇒非弁護士による報酬請求は棄却すべきもの。

最高裁昭和46.7.14:
弁護士法72条本文の法意について、
弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とし、ひろく法律事務を行うことをその職務とするものであって、そのために弁護士法には厳格な資格要件が設けられ、かつ、その職務の誠実適正な遂行のため必要な規律に服すべきものとされるなど、諸般の措置が講じられているのであるが、世上には、このような資格もなく、なんらの規律にも服しない者が、みずからの利益のため、みだりに他人の法律事件に介入することを業とするような例もないではなく、これを放置するときは、当事者その他の関係人らの利益をそこね、法律生活の公正かつ円滑ないとなみを妨げ、ひいては法律秩序を害することになる
同条は、かかる行為を禁圧するために設けられたものと考えられる

最高裁H28.6.27:
司法書士法3条1項7号にいう「紛争の目的の価額」をどのように算定するかについて、
債務整理を依頼された認定司法書士は、当該債務整理の対象となる個別の債権の価額が司法書士法3条1項7号に規定する額を超える場合には、その債権に係る裁判外の和解について代理することができない

債権額説(債権者が主張する残元金額をいう)
個別説(個別の債権ごとに算定)
をとることを明らかにした。
 
●法令に違反する契約の効力 
当該法令が法律行為を無効とするものか否かについて、
法令違反行為を無効とすることが禁止目的達成のために必要かどうか
違反行為が公序良俗に反するかどうか
違反行為を無効とすることによって当事者相互間に不公正が生じないかどうか
という3要素を考慮して決する。
(末弘、今日でも通説)

弁護士法72条に違反して、j弁護士でない者が代理人として締結した契約の効力:
〇A非無効説
弁護士法72条に違反して締結された委任契約の効力と、当該委任契約を締結した非弁護士が委任者を代理して締結した契約の効力は、別個に判断されるべき。
 

×A:弁護士法72条に違反して締結された委任契約が民法90条に照らして無効となる⇒非弁護士による代理行為が無権代理となり無効となるとする説
but
代理権授与行為自体は存在しており、典型的な無権代理とは異なる。
本判決は、本件和解契約を有効と判断⇒認定司法書士との間で弁護士法72条に違反して委任契約が締結された場合でも、代理権授与は無効とはならないと解しているものと思われる。 

判例時報2351

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2018年1月16日 (火)

第一種少年院に送致した原決定の処分が、著しく不当であるとして、取り消された事例

大阪高裁H28.11.10      
 
<事案> 
少年(非行時17歳)が約2か月の間に、
①原動機付き自転車の無免許運転をし
②共犯少年と共謀の上、歩道上の車止め3本を数人共同して損壊し
③普通乗用自動車の無免許運転をした
事案。 
 
原審:短期間の処遇勧告を付して少年を第1種少年院に送致
⇒少年は、処分の著しい不当を理由に抗告
⇒本決定:抗告に理由があるものと認め、原決定を取り消して、事件を原審に差し戻した。
 
<解説> 
●非行事実と要保護性 
少年法は、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うことを目的として(少年法1条)、
罪を犯した少年等を対象に、
要保護性の程度に応じて、
保護観察や少年院送致等の保護処分を用意。(同法3条、24条)

非行事実には、少年の資質・環境に関する問題点が顕在化しているといえる
⇒非行事実の罪責(行為の客観的な悪質性のほか、少年がそのような非行に及んだことに対する非難の強さ)を検討することは、少年の要保護性の程度を判断する上で重要。

要保護性の検討の方が(量刑の検討よりも)、より動機、経緯、少年の性格等の背景事情等も踏まえ、なぜ少年が当該非行に及んでしまったのかという観点からの検討に重きがおかれる。

保護処分は、少年に対して性格の矯正や環境の調整を行うもの
⇒要保護性を判断する上では、
少年の資質や環境の各問題点を、鑑別所技官及び家庭裁判所調査官の各報告書や審判廷における尋問等を通じて、直接的に検討することも重要。

多くの場合、非行事実の重大性と要保護性とは相関関係にある
but
場合によっては、非行事実の検討だけでは必ずしも明らかにならなかった少年の資質あるいは環境に関する問題点の実情が明らかとなって、非行事実で検討したところよりも要保護性が高いと判断されたり、
逆に、非行事実で検討したところほど要保護性は高くないと判断されたりすることもあり得る。
 
●本件について 
◎ 本件各非行事実は、それだけに着目すれば重大な事案ではない
原決定のように少年院送致を結論づける文脈において悪質な非行と評価するためには、そのことを合理的に根拠付け得る理由が必要になる。

原決定が指摘する少年の資質傾向や問題点は、非行に及ぶ少年であれば大かれ少なかれ有している。
本件各非行は重大な事案ではない⇒そのような資質傾向等が本件各非行に結びついていることを明らかにしても、そのことから直ちに、資質傾向等に根深い問題があるとはいえない。
少年の非行歴や本件各非行前後の行動等⇒その顕在化は一時的なもの⇒少年の資質傾向は施設収容しなければ改善できないほど深刻なものであるとはいえない

◎少年の資質等の問題の根深さを量るためには、
非行時だけでなく、
その資質等が顕在化した非行歴の有無・内容、
非行前後に少年が取った行動、
少年が持っている良い資質等も併せて考慮し、
資質等を強制して再非行を防止することの難易度を検討しなければならない。
多角的な検討が不可欠

◎保護者に監護意欲が欠如しているとか、監護意欲はあるものの看護方法が甚だしく不適切で改善の見通しも立たないとか、少年と保護者の基本的な親子関係に問題があってそれが少年の更生の妨げになるとか、少年が家庭から離反してしまっている

保護者による教育に期待することはできない
⇒施設収容に傾く
少年の資質上の問題等が根深い⇒専門的で系統的な矯正教育が必要
⇒保護環境の問題点を検討するまでもなく、施設収容に傾くことが多い。

一般短期処遇勧告付きの事案には、収容処分が相当なのか在宅処遇がまだ行えるのかなど、収容処分相当性の判断が微妙となる事案が含まれていることが少なくない。 

判例時報2350

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2018年1月15日 (月)

いわゆるAIJ投資顧問年金資産消失事件で、信託契約の受託者による、信託財産に属する債権と信託財産に属さない債権との間の相殺(肯定)

東京地裁H28.11.25      
 
<事案>
いわゆるAIJ投資顧問年金資産消失事件において、年金基金と信託契約を締結した信託銀行が、信託財産に属する破産者に対する損害賠償債権と、信託財産に属さない破産者の預金債権を相殺することの有効性の可否等が問題となった事案。 
 
Xらはいずれも厚生年金の給付を行う厚生年金基金。
Xらを含む厚生年金基金は、弁護士Y1に対し、被害回復対応のための一切の件の処理を委任。
A信託銀行らは、裁判所に対し、(AIJが実質的に支配する)C証券や同社の社長であるDに対する破産開始の申立て⇒裁判所は、C証券及びDに対しする破産手続きを開始し、Y2を破産管財人に選任。

E信託銀行、F銀行は、多数の厚生年金基金から年金資産の受託を受けていたところ、その受託資産の一部をG信託銀行に再信託(E、F、Gを「3行」という。)。
3行は、AIJ問題により、本件ファンドに投資した信託財産について損害を受け、破産者であるC証券及び同Dに対する損害賠償請求権を取得。

それぞれ、信託財産に属する破産者C証券及び同Dに対する損害賠償請求権と信託財産に属しない破産者C証券及び同Dに対する預金債務とを対当額で相殺(「本件各相殺」)。

相殺に供された受働債権(3行の破産者C証券及びDに対する預金債権)は、Xらに対しては配当されなかった。

Xらは、本件各相殺は無効であり、Y1及びY2に対し、配当すべき金員が各厚生年金基金の被害額に応じて公平に分配されるようにする義務に違反していると主張。
 
<規定>
破産法 第67条(相殺権) 
破産債権者は、破産手続開始の時において破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる。

信託法 第31条(利益相反行為の制限)
受託者は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 信託財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を固有財産に帰属させ、又は固有財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を信託財産に帰属させること。
二 信託財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を他の信託の信託財産に帰属させること。
三 第三者との間において信託財産のためにする行為であって、自己が当該第三者の代理人となって行うもの
四 信託財産に属する財産につき固有財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う債務に係る債権を被担保債権とする担保権を設定することその他第三者との間において信託財産のためにする行為であって受託者又はその利害関係人と受益者との利益が相反することとなるもの

2 前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するときは、同項各号に掲げる行為をすることができる。ただし、第二号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為をすることができない旨の信託行為の定めがあるときは、この限りでない。
一 信託行為に当該行為をすることを許容する旨の定めがあるとき。
二 受託者が当該行為について重要な事実を開示して受益者の承認を得たとき。
三 相続その他の包括承継により信託財産に属する財産に係る権利が固有財産に帰属したとき。
四 受託者が当該行為をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該行為の信託財産に与える影響、当該行為の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるとき
 
<判断>
破産法67条を適用して相殺ができるかという点について、
一般に、信託財産に属する債権が成立する際に、信託財産に属しない債務との対立状態が生じた場合には、
受託者は、信託財産に属する債権を信託財産に属しない財務との相殺により、債権の回収をすることへの合理的な期待を有している。

信託法は平成18年に改正されたが、
同法22条1項は第三者が行う相殺について制限規定を置く一方で、受託者は、信託財産に属する債権を自働債権とし、信託財産に属しない債務を受働債権とする相殺を行うことを禁止する規定は置いていない。

かかる相殺の可否は、利益相反行為の制限など受託者の忠実義務に関する一般的な規定に委ねられている

利益相反行為の例外に当たる場合には、かかる相殺は許されると解するのが相当。
本件各相殺により、信託財産が減少⇒受益者である厚生年金基金らと受託者である3行との間で利益相反が生じる。
but
本件のように、受託者により、信託財産に属さない固有財産から、信託財産へと補償がされる場合には、信託財産の減少を免れることができる

正当な理由があり、信託法31条2項4号により、利益相反行為としての制限を受けない
破産法71条、72条の相殺禁止事由にも当たらない。
 
<解説>
本件の最大の争点は、信託契約の受託者が、信託財産に属する債権と信託財産に属しない債務との間で相殺することが許されるかという点。 
相殺した後に信託財産に対し補償がされれば、信託財産にとってメリットがある

利益相反取引の例外の要件(新法31条2項)を満たしたうえで補償がされれば相殺してよい。(学説)

判例時報2350

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2018年1月14日 (日)

カイロプラクティック施術による頚椎損傷⇒後遺障害⇒損害賠償(肯定)

東京地裁H28.11.9      
 
<事案>
Yからカイロプラクティック施術を受けたXが、同施術により頚椎を損傷され、8級相当の後遺障害が生じた⇒
Yに対し、
主位的には不法行為
予備的には債務不履行
を理由として5296万円余の損害賠償を提起。 
 
<争点>
①平成16年11月20日に、Yから本件施術を受け受傷したか?
②本件施術と相当因果関係のある損害及び額 
 
<判断>
①Xの手帳の平成16年11月20日欄に「カイロ」との記載がある
②X及びその母はYを紹介してくれた者に苦情の手紙を送付
③Xは本件施術を受けた約1か月以降に受けた医療機関のほとんどにおいて一貫して、本件施術について、首をボキッとされたなどとする表現を繰り返している

Xは、平成16年11月20日、Yから本件施術を受けたと認定。 
 
①Xは本件施術後約1か月後にH1病院を受診し、本件施術後約1週間後から後頚部痛を訴え、その後も複数の病院で同様の訴えを繰り返している
②Xの訴える痛みの部位はほぼ同一であり、Xが本件施術前に訴えていた痛みとは異質なものであり、筋傷害が疑われていた
③カイロプラクティックにおける頚椎に対する急激な回転伸展操作を加える手技は患者の身体に損傷を与える危険が大きいため禁止されている
④本件施術以外に平成16年11月20日頃にXの僧帽筋の付着部の腱に断絶が生じるような事象は見当たらない

Xの施術により、Xの僧帽筋(左上側)の付着部(両側)の腱に断裂が生じた。

本件施術によってXに生じた傷害は僧帽筋の腱の付着部の断裂に留まるところ、平成19年3月22日には、症状が固定し、局部に頑固な神経症状が残るものであり、これは後遺障害等級12級13号に該当。
本件施術と相当因果関係のある損害は1330万円余。
 
主位的請求である不法行為に基づく請求権は消滅時効により消滅。
債務不履行に基づき前記の損害を認めた。

判例時報2350

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2018年1月13日 (土)

外国船舶の衝突事故の案件についての弁護過誤の案件

広島高裁H29.6.1      
 
<事案>
Xは、広島湾において牡蠣の養殖業を営んでいるもの。

平成24年12月11日、広島湾を航行していたカンボジア王国籍の機船A号が、Xの設置していた牡蠣筏に衝突してこれを損壊する事故が発生。
A号は平成25年1月、中国から日本に向かい、千葉港において鉄くず等を積載した後、中国に向けて航行していたが、同月18日、淡路島東方沖にて積み荷の火災を起こし、神戸港に緊急入港し、同年3月22日まで神戸港に停泊。
その後中国に向け出港。

Xは、Y(受任弁護士)がXの損害回復に必要な措置を講ずべき注意義務に違反したため、A号の所有者等から損害賠償を受けることができなかった。
⇒Yに対して、委任契約の債務不履行による損害賠償を請求。
 
<一審>
Yの注意義務違反を否定。
 
<判断>
①A号が外国船舶であり、交渉中に国外に出たら執行が容易でなくなること、A号の船主には見るべき財産がないこと
Yには、責任財産の保全等、加害者側からの支払を確保するための措置を講じるべき注意義務があった

船舶の衝突事故の場合、相手船の保険者等の保証状を提供させることが、世界的な慣行であるにもかかわらず、
Yが、保証状の発行を検討し、実行に移すべき措置を講じなかった

善管注意義務違反がある。
⇒Yの債務不履行の責任を肯定し、原判決を変更し、Xの請求を一部認容。

判例時報2350

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«譲渡禁止特約のある指名債権の譲渡者の破産管財人と、特約の存在を知って譲り受けた者の関係